【土地活用の基礎知識】第11回:借地 – しげにゃんの土地活用

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2021/7/6
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土地活用に関する様々な知識をお伝えしている「土地活用の基礎知識」
今回のテーマは、借地 についてです。

遊休地を活用したいけど、自己資金を投資したくない方や、
大きな借り入れを行いたくないという方は、
「土地を貸す活用」をお考えではないでしょうか?
このような「借地としての土地活用」は広く行われている土地活用の方法ですが、
その際には借地権の知識が必要となります。
借地権とは、建物の建築、所有を目的として他人から土地を借りる権利のことです。

今回は土地活用の基礎知識である借地についてお伝えしていきます。
是非このコラムを活用して、借地についてマスターしてくださいね!

土地活用における借地

土地だけを利用したい人に貸しだして毎月の賃料を得る借地 という方法です。
事業用定期借地、建物譲渡特約付借地など種類はいくつかありますが、
いずれも10~50年程度の長期間の契約になります。

メリット

借地での遊休地活用の最も大きなメリットは、建物を建てたりする必要がなく、
初期投資がかからないにも関わらず、
長期にわたって安定して地代収入を得ることができる点です。
さらに相続税評価においては「賃宅地」という扱いになり、
更地の状態よりも評価が下がるため節税にもなります。
また、定期借地契約の場合期間が終了した際には土地を元通りにして返却してもらえます。

デメリット

デメリットは、契約した期間、土地を自由に使うことができなくなってしまう
という点です。
正当な理由がない限り、契約を途中で辞めることもできません。
ですから、たとえば急にまとまったお金が必要になって土地を売りたいと思っても、
契約中は売却することができません。
そのため、将来的に土地の売却をする可能性がある場合には、
借地にすることはおすすめできません。
また、地代に関しても当然建物を建てて貸す場合よりも低くなりますので、
収益という点ではあまり良くありません。

次に、土地を借地とする場合に関係する借地権についてお伝えいたします。

借地権の概要

借地権 とは、建物の建築、所有を目的とする権利のことです。
借地権を持つと土地に対する税金を支払う必要がない代わりに、
地主に対して毎月地代を支払うことで土地を借りることが可能となります。

借地権には、大きく分けて2種類あります。
借地法(旧法)と1992年8月1日に施行された借地借家法です。
旧法は借地人の権利が強く、土地の返還が難しいなど地主側に不利な面がありました。
新しい借地借家法では、借りられる期間を定めた定期借地権も設けられています。

借地法(旧法)

1992年(平成4年)8月より前から土地を借りている場合に適用されているのが「旧法」です。
契約期限は決まっていますが、更新することで期限を延長して借りることができます。
契約期間は、建物の構造によって下表のように異なります。

借地借家法

1992年(平成4年)8月以降から借り始めた場合に適用されているのが「借地借家法」です。
旧法との違いは、構造による存続期間の違いなどがあります。

では次に、借地借家法における借地権の契約の種類をお伝えいたします。

借地権の契約の種類とメリット・デメリット

借地借家法 には5つの種類があります。それぞれのメリット・デメリットを合わせて
お伝えいたします。

こちらは、借地権の種類と特徴です。

次にそれぞれの借地権のメリット・デメリットをお伝えいたします。

普通借地権

契約期限は決まっていますが、更新することによって
半永久的に借りることが可能な借地権です。
存続期間は構造に関係なく当初30年、合意の上の更新なら1回目は20年、
以降は10年となります。
メリットは、更新によって半永久的に貸すことができるので
毎月決まった賃料が入ってくるということです。
一方で、長期的に土地を自由に使うことができなくなってしまいます。
普通借地権で土地を貸す場合は、検討をした方が良いでしょう。

定期借地権

定期借地権付き一戸建て、定期借地権付きマンションともに住宅用として土地を賃借します。
契約期間は50年以上で、更新はなく契約終了後は更地にして返還される借地権です。
契約終了後は更地にして返還されますが、契約期間が50年以上となりますので
長期的に土地を自由に使うことはできません。

事業用定期借地権

事業用(店舗や商業施設等)で土地を借りる場合の借地権です。
契約期間は10年以上50年未満(2008年1月1日の法改正以前は10年以上20年以下)
であり、契約終了後は更地にして返還されます
メリットは、契約期間が普通借地権・定期借地権より短く、
契約終了後は更地にして返還されることです。
一方で、最短でも10年以上は土地を自由に使うことはできません。

建物譲渡特約付借地権

契約から土地所有者が建物を相当の対価で買い取る決まりがあります。
契約期間は30年以上となり、
その期間は地代や保証金などの収入を得ることができます
建物がマンションやオフィスビルの場合は、
契約終了時に資産価値の高い物件を買い取ることができるうえ、
賃料やテナント収入をそのまま引き継ぐことができます。
一方で契約終了後、物件を買い取っても
運用収益に伸び悩む結果になる可能性もあります。

一時使用目的の借地権

工事の仮設事務所やプレハブ倉庫等で一時的に土地を貸すので、
貸し出す期間が短い借地権です。
存続期間についての具体的な規定はありませんが、
期間が短いことが一時使用目的の借地権と認められる一要素となります。
ただし、存続期間10年としたものを認めた裁判例もありますので、
土地の使用目的は確認したほうが良いでしょう。

人に貸している土地を相続する場合

ここまでご説明してきたような、人に貸している土地を相続する場合は、
貸主という立場も一緒に相続することになります。
そのため、借地契約の権利や義務に変化はなく、契約は継続されます

また、土地を借地として活用していると
同じ土地を人に貸さずに使っていた場合と比較して
相続の際にかかる税金である、相続税を抑えることができます
相続税は、亡くなった方の財産の総額を出したうえで計算しますが、
現金や証券などの分かりやすいものと異なり、
土地の財産価値はその使い方によって評価が異なります。
人に貸している土地の場合は所有者が自由に使用・処分をすることができず、
財産評価が下がるため相続対策に有効です。

借地にしている場合の評価額は、
評価額=自用地評価額×(1―借地権割合)
で算出できます。
借地権割合とは、その土地の権利のうち借地が何割を占めるかを示す数字です。
地域によって異なり、30~90%で定められています。

例えば、自用地としての評価額が5,000万円、借地権割合が70%の土地では、
借地にしていた場合の評価額は、
5,000万円×(1―0.7)=1,500万円
となります。

アパートなどの賃貸住宅が建っている土地の場合は
また評価額の計算方法が異なります。
詳しくは是非こちらのコラムをご覧ください☆(リンク)

ちなみに、土地を貸していた相手が亡くなり相続が発生した場合も
地代や期間などの契約はそのまま引き継がれますので、
亡くなった方の配偶者やお子さんとの新たな契約は必要ありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は借地権についてお伝えいたしました。
土地を賃借する場合のトラブル防止のためには、
しっかりと覚えていただきたい知識です。

次回以降もこういった基礎知識をお届けしてまいりますので、
是非チェックしてみてください!

☆その他の「土地活用の基礎知識」の記事はこちら☆

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